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21:大地の怒り

 

ドゴォォォォォォォォン!!!!!

 

突然、均衡を破ったのは、大きな地震。それは、陸神リクが発したものだった。

由衣たちはその場に倒れこみ、そのせいで、八人を覆っていた結界も、当然その効力を失くし、

消えてしまった。結界が効力を失くしてしまったため、萌花と大樹の攻撃が再び八人を襲う。

 

「うわ!」

「きゃあ!」

 

大樹の蔦が、瞳と健一朗を締め上げる。

 

「うっ!」

「力が・・・」

 

その蔦を切ろうと、力を使おうとした由衣と美月も、萌花の赤い光線を受けて、

力を使うことができなくなってしまった。

 

「フッ・・・。私の力を持ってすれば、お前らを制すことなど造作もないのだ。」

リクの発した地震を機に、状況は一変した。今、自由に動くことができるのは、

秋羅と杏と亜理亜と零亜の四人だけだった。四人は各々策を考えてみたが、この状況

を一変させるようなすごい策を、このような短時間で考えつくことはできない。

 

「次は面倒な結界を創る貴様らだ。」

模索している間に、リクは亜理亜と零亜に狙いを定め、攻撃を仕掛ける。

地面が隆起し、大きな岩の塊が亜理亜と零亜を襲う。二人は突然結界を創りだす

技能は持っておらず、その場にただ立ち尽くすしかない。しかし、すかさず杏が盾を

創りだし、リクの攻撃から亜理亜と零亜を守る。するとリクは、すかさず新たな岩の

塊を創り、今度は杏たち三人の後方へと移動させ、攻撃する。その攻撃には、さすがに杏も

反応できず、三人ともまともに岩を受けてしまう。

 

「きゃあ!!」

 

岩をまともに喰らった三人は前のめりに倒れこみ、動くことができない。秋羅はそれを、

少し離れた場所で、黙って見ている。三人を助ける技能がない自分を悔やみながら。

 

「どうして・・・。」

 

ふと、零亜が声をもらす。そして、その声は叫びへと変わっていく。

 

「どうしてですか?陸神殿!陸神殿は、私たちを大地の恵みで暖かく包んでくださっていたのでは

ないのですか?私は・・・私はそんな陸神殿を信じていたのに・・・・・・。」

 

零亜の叫びは空気を伝って、皆の耳に響き渡る。

当然、陸神リクの元にも・・・。

リクはその叫びに反論するが、何故か頭を抑えている。

 

「フン!娘よ。愚かだな。それはお前が勝手に頭の中に創りだした偶像に過ぎぬのだよ。

この地の民は皆愚かだ。自然を大事にしているつもりでいるようだが、実際は単に利用している

だけの話だ。我々が自然を与えてやり、貴様らを支えてやっているということなど、頭の片隅

にもないのだ。そのような輩にもう何も与えてやる義理などない。」

 

反論をするリクに少しも動ぜずに、零亜は更に言葉をぶつける。これには、先ほど初めて会った

秋羅たち六人はもちろんだが、ずっと一緒に巫女として仕えてきた亜理亜も見たことのない零亜の姿だった。

 

「あなたなど・・・あなたなど・・・陸神殿ではない!確かに我々の中には、そのような考えをしている

者もいるかもしれませんが、陸神殿に感謝している者が沢山いることを陸神殿もわかって、

大いなる自然を与えてくださっているのです!だから、あなたは絶対に違う!!!陸神殿ではない!!!」

 

 

零亜の更なる叫びが響いた瞬間、突然大樹と萌花がその場にどさっと倒れこみ、

健一朗と瞳を拘束していた蔦や、由衣と美月を貫いていた赤い光線が消えた。

そしてリクが、頭を抱えてその場にがくっと座り込み、「うううぅぅぅぅ・・・・」という低い

うなり声をあげ始めた。そして、ぶつぶつと何か口走る。

 

「やめろ。でてくるな。消えろ。来るな。来るな。でてくるな。」

 

その声は、皆に聞きわたるほど大きな声ではなかったが、零亜と亜理亜と杏がいる辺り

までは普通に聞こえるくらいの声だった。また、リクの全身はそのうちがくがくと震え始め、

明らかに尋常でないという感じだった。

 

「消えろ。来るな。やめろ。消えろ。消えろ。来るなぁあああ!!」

 

そして、リクの独り言は叫びへと変わり、リクが媒介としていた真理亜の体から光の玉が飛び出して、

真理亜はその場に崩れ落ちた。また、真理亜から飛び出た光の玉は、空高く舞い上がると、そのまま、

目にも止まらぬ速さでどこかへと飛び去ってしまった。

 

すべてのことが一瞬のうちに起こり、終焉は突如として訪れた。

 

 

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