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20:仲間

 

陸神リクとともに現れた二人の下僕。

一人は、中肉中背の、ふわふわした髪の毛が特徴的な男で

もう一人は小柄で、肩より少し長いウェーブした髪の毛の女だ。

由衣と杏はその二人を知らなかったが、秋羅、海月、健一朗、瞳の四人はどうやら顔見知りのようだ。

 

「なんで大樹と萌花ちゃんが・・・・。」

瞳が愕然としていると、いきなり地面から植物が生えだし、瞳に巻きつこうとする。

 

ボコ!シュルシュルシュル・・・・

 

「え!!?」

 

グググググググググ・・・・・・・

 

瞳は咄嗟のことでまったく動けなかったが、健一朗がすかさず力を使い、

重力で植物を抑えたため瞳は植物から免れることができた。

「ありがとう。健一朗くん。」

「うん。でも、本当にどうして・・・。」

 

フワ〜〜〜ン

 

今度は青いシャボン玉のような大きな球体が六つ由衣たちに向かって飛んでくる。

「なに?これ??」

由衣は飛んできたものに特に害を感じなかったので、あえて避けようとしない。

「由衣さん!それに触ってはダメだ!」

警戒心のない由衣や杏に美月が注意を促す。

「それは、萌花の特殊な攻撃で、触ると相手の精神力を吸い取ってしまうものなんだ!」

「え!!?」

由衣はそれを聞いて慌ててその青い大きな球体から離れた。

しかし球体は先ほどよりも速く動き、由衣たちを追いかけ始めたため、

みんな避けるのに四苦八苦し、動き回る。

 

ビーーーーーーー

 

やがて青い球体が消えると、すかさず赤い光線が美月の方に物凄い速さで向かってくる。

「うっっ!しまった!!」

美月は青い物体に気をとられていたためにそれをまともに喰らい、倒れこんだ。

「美月!!」

秋羅たちは美月のほうに駆け寄る。美月は倒れたまま起き上がることができなくなっていた。

「大丈夫か?ほら、これ。」

秋羅がそう言って、体力を回復する、青い実がついた草を美月の口に入れる。

どうやら先ほどの赤い光線は体力を奪ってしまうものらしい。

「ありがとう・・・。でも、どうして萌花と大樹が・・・・・。」

草のおかげで体力が回復した美月も、突然の大樹と萌花という二人の登場に、動揺を隠せない様子だ。

 

「あの二人って・・・一体誰なの?」

ここで、由衣が怪訝そうな顔で二人についてたずねる。

杏もこの二人を知らなかったため、不思議そうな顔をしている。

「二人が知らないのも無理はないな。あの二人は萌花と大樹だ。

俺らと同じ石の力を持つ戦士だ。」

「え!?」

秋羅の言葉に二人もようやく事の重大さに驚きの顔を見せた。まさか二人が

自分たちと同じ立場の人間だとは、予想もしなかったのだ。

「それじゃあ、どうして二人は・・・・。」

頭が真っ白になって少々パニック気味になる二人。

 

「フフフ・・・・。彼らには、ちょっとした細工をして、私の下僕になってもらったのよ。

「色」「植」という属性を持つ彼らを陸神であるわたしが操るなんて造作もないことだわ。」

リクは勝ち誇ったように不敵な笑みを浮かべ続けている。

大樹と萌花は無表情でこちらを見据えて、更に攻撃を仕掛ける。

先ほどと同じ、青いボールや赤い光線、所々から生えてくる植物。

由衣、瞳、秋羅、美月のどちらかというと攻撃系な技を持つ四人は、

青いボールや植物を壊したり焼き切ったりで攻撃を防ぎ、

杏、健一朗の補助系な技を持っている二人は、

盾を作って青いボールや赤い光線を防いだり、

重力で植物を押さえつけたりして、攻撃の対処をしていた。

六人とも、相手が自分たちの仲間であるという事実から、

当然、「守る」という姿勢でしか対処をしておらず、一向に戦いが治まる気配はない。

 

どうしよう・・・・

この言葉ばかりが六人の頭の中に繰り返し響き渡る。

もちろん攻撃なんてするわけにはいかないけれど、

このままだと精神力が途切れて、闘いに負けてしまう。

しかも、萌花、大樹の二人以外にも、今はまだ

表立って戦ってはいない陸神まで相手にしなくてはならないのだ。

このままでは明らかにこちら側が不利だ。何か打開策を考えなくてはならない。

 

みんながそのようなことを考えていると、突然大樹の攻撃パターンが変わった。

 

ザァァァァァァァァァァ!!!

 

大樹の後ろ側から、大きな花が現れ、花粉のような粉を撒き散らしたのだ。

花粉はゆっくりとした速度で、徐々に辺り一面に広がり始める。

「あれは神経性の毒を持つ粉だ・・・。」

成す術もなく、ぼそっと秋羅がつぶやく。

もちろん他の五人も、あれだけの量の粉を防ぐ手立ては持ち合わせてなかったし、

何より、これまでの疲労がどっと押し寄せてきて、反応を起こす気力も残っていない様子だ。

じりじりと迫ってくる粉を前に、呆然と立ち尽くす六人。

 

そのときだった。

 

カッッッッッッ!!!

 

六人は、いや、八人は大きくて透明な多面体に覆われていた。

亜理亜と零亜がその多面体の形をした結界を張ってくれたのだった。

「みなさん!大丈夫ですか?」

「亜理亜さん・・・。零亜さん・・・。」

零亜の力強い声に、瞳が安堵のこもった声で二人の名前を呼ぶ。

「お二人こそ大丈夫ですか?」

杏は逆に零亜と亜理亜の心配をする。二人は、リクに吹き飛ばされてから

先ほどまで倒れたまま動かなかったので、心配をするのも無理はない。

「私たちなら大丈夫です。さっきまで気を失っていましたが、飛ばされたときに

ちょっとかすり傷ができた程度ですから。」

「それよりも皆さんの方が心配ですよ!この結界の中にいれば、体力や精神力も

少しですが回復しますので、この中にしばらくの間は留まっていてください。」

 

亜理亜と零亜が創り出した多面体の結界はほのかに黄色く透けていて、

外部からのある程度の攻撃を防ぎ、かつ、内部にいると精神力、体力、外傷などが

徐々に回復していくようである。

大樹、萌花の二人は更に攻撃を加えてくるが、結界はそれらの攻撃は

すべて防げるくらいの強度があるため、まったくこちらにダメージを与えることはなかった。

 

 

進まない、退かない。このような状況を見兼ねて、ついにリクが動き始める。

「これでは埒が明かないわ。わたしもそろそろ戦いに加わるとしましょうか。」

 

 

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