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11:起死回生

 

明らかに優位な立場にいたソラとリクが一矢報いられた。

 

戦っていた四人が「何か」が飛んできた方向を見ると

さっきまで隠れていた由衣が掌をソラの方に向けて立っていた。

 

「なぁに!!?まさかあの娘が!?」

「ありえないわ。あの娘は戦えないから隠れていたはず・・・。」

リク、ソラはもちろん秋羅も美月も半信半疑だった。

しかし、それらの疑いは次の瞬間確信へと変わるのだった。

 

ゴォォ!ドォン!!

 

くっ!

 

彼女の掌から火の玉が、ものすごいスピードで今度はリクの方に飛んできた。

由衣の手には、赤々とした光を放つガーネットがしっかりと握られている。

 

「小癪なまねを!」

リクは由衣をきっと睨みつけ、彼女に向かって大きな岩の塊を繰り出す。

 

ゴゴゴゴゴ・・・

 

「由衣!危ない」

秋羅と海月は、リクの繰り出した岩を相殺しようと考えたが

行動するまもなく、岩が由衣に襲い掛かる。

 

ドゴォン!

 

「由衣!!」

「ふっ。私を怒らせるからだ。」

岩はものすごいスピードで由衣にぶつかり、砂煙が巻き起こった。

 

かに見えた。

しかし、砂煙が引いてみると、そこには無傷の由衣と

由衣の前に仁王立ちした状態で佇む杏、

そして、瞳と健一朗が、リクとソラを睨みつけていた。

 

「な・・・!なぜ無傷なのだ・・・。くそ!」

リクは再び岩を繰り出すが、それらは、由衣たちの前にある

透明な壁の前に、ただ崩れ去るだけだった。

「もしかして・・・。今度は杏か。」

秋羅が想像したとおり、杏の持つダイヤモンドが淡く光っていることからもわかる通り、

その透明な壁は杏の手によって創り出されたものらしかった。

 

グググググ・・・

 

「き・・・きゃぁ・・・ぁ・・」

「こ・・・これは・・・!?か・・体が動かな・・。」

リクとソラが呆然としているところを見計らって、今度は健一朗が、

ラピスラズリを取り出し、リクとソラに向かって攻撃をしたようだ。

そして、今度は瞳がトパーズを取り出し、電気を帯びた丸い球をつくり、

健一朗の力で動きのとれないリクとソラに向かってそれらも投げつけた。

 

バリバリバリバリ!!!

 

「あぁぁぁぁぁ!!!!」

「きゃぁぁぁぁ!!!!」

リクとソラはなすすべもなく、瞳の放った雷球をまともに受けて

数メートル吹き飛ぶ。

 

「す・・・すごい・・。」

「力が覚醒したのか?でも、まだ彼らには力の使い方について何も教えていないはずなのに・・・。」

凛々しく立っている四人を見て、秋羅も美月も、ただ感嘆の言葉を並べることしかできなかった。

 

「ソラ・・・ここはいったん退散したほうがいいわ。相手の情報が少なすぎる。」

「む〜〜悔しいけど、そうするしかないみたいね。」

再び瞳がソラとリクのほうに向かって技を繰り出したが、

技を受ける前にソラの空間移動術でふたりは姿を消していた。

 

リクとソラが退散するのとほぼ同時に、由衣たち四人は、どさりと地面に倒れこむ。

「なんとか、みんな無事だったか・・・。」

 

秋羅も美月もホッとしたり、驚いたり、自分達をふがいなく感じたりと

いろいろなことが頭の中をめぐり、しばらくその場を動くことができなかった。

 

「しかし伝説のとおり、異世界の者は強いね。」

先に沈黙を破ったのは美月だった。

「ああ・・・そうだな。何も教えていなくてもあれだからな。

いろいろ教えれば、きっと俺らなんかより強くなっちまうな。」

その言葉を発した秋羅も聞いていた美月もどこか寂しげに顔をうつむける。

「そして・・・・いずれ僕らは・・・。」

 

「う・・・ん・・・。」

 

「おっと。みんな気がついたみたいだ。行こうぜ。」

「う・・・うん。そうだね。」

美月が何か言いかけたが、秋羅はそれをさえぎって、由衣達の方へと走っていってしまった。

美月も、しょぼんとしていた自分に喝を入れるように、自分の頬を両手で二回叩くと、秋羅の後を追って走り出した。

 

 

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